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詩『野ばら』

黒い森の丘(ドイツ)

 ドイツの詩人、J. W. ゲーテは1771年に『野ばら』の詩を作ったとされています。しかし、成立年代に関しては諸説あり真実は明らかにされていません。又、1770年に出会った女の子との恋がきっかけとなり『野ばら』詩が生まれたとされています。詩の成立に関しての詳細はこちらのページ(作成中)をご覧下さい。下記は、原語であるドイツ語の『野ばら』の詩、日本語訳された『野ばら』の詩です。

Heidenröslein


- Johann Wolfgang von Goethe – (1749-1832)



Sah ein Knab' ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
War so jung und morgenschön,
Lief er schnell, es nah zu sehn,
Sah's mit vielen Freuden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.


Knabe sprach: ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!
Röslein sprach: ich steche dich,
Dass du ewig denkst an mich,
Und ich will's nicht leiden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.


Und der wilde Knabe brach 's Röslein auf der Heiden;
Röslein wehrte sich und stach,
Half ihm doch kein Weh und Ach,
Musst' es eben leiden. Röslein,
Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.





野ばら


- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ - (1749-1832)



少年がばらを見つけた
野原に咲くばらを
若々しく美しく
近くで見ようと駆け寄り
胸をはずませて見つめた
ばらよ、ばら、赤い可愛いばら
野原に咲くばら


少年は言った
「お前を折ってやる 野原に咲くばら!」
ばらは応えた
「あなたを刺すわ あなたが私の事を永遠に忘れない様に
そして私は折られやしませんわ」
ばらよ、ばら、赤い可愛いばら
野原に咲くばら


ついに少年は
野原に咲くばらを折ってしまった
ばらは抵抗して刺し
嘆き、泣き喚いても少年には効かず
ただ痛みに耐えるばかりであった
ばらよ、ばら、赤い可愛いばら
野原に咲くばら



訳:土田 悠平



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